製品情報/シャツのイロハ

ワイシャツのちょっとした知識

当社の一般的なメンズドレスシャツについてのご紹介です。

第7回
天然繊維のはなし 1

繊維を大別すると、天然繊維と化学繊維に分かれます。天然繊維とは自然界に存在しそのまま繊維として使用されるもので、植物(セルロース)繊維と動物(タンパク質)繊維そして鉱物繊維に分けられます。
今回は天然繊維の代表で、シャツなどのアパレル製品に多用されている植物(セルロース)繊維の綿(COTTON)のはなしです。

植物(セルロース)繊維

綿(COTTON)

アオイ科ワタ属の一年草で、中国、インド、アメリカなどが主要生産国です。
綿の花が落ちると子房が膨らみ、その後表皮が破れコットンボールと呼ばれる白くて柔らかい種子毛繊維が溢れ出てきます。
天然繊維の中では最も汎用性が高く生産量も多いのですが、栽培植物繊維ゆえ生産量や品質は天候に左右されやすく、近年の生産量は約2,100万~2,5000万tで推移しており、これは世界の繊維生産量の約 25%にあたります(2017年現在)。
吸水(吸湿)性に優れ、熱に強く、染色性・発色性が良く、耐アルカリに強いなどの長所がある反面、洗濯後にシワになりやすく縮みやすい、乾くのが遅い、酸に弱いなどの欠点が有ります。3年間農薬や化 学肥料を使わないで栽培された農地で、農薬や化学肥料を使わないで生産された綿花はオーガニックコットン(有機栽培綿)と呼ばれています。
燃やすとセルロース(繊維素)の仲間の紙と同じ匂いがします。

● 綿の花

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花弁はクリーム色からピンク色に変わり、開花して数日で落下してしまいます。

● コットンボール

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コットンボールから綿の繊維が収穫されます。

● 綿繊維の走査型電子顕微鏡写真(側面)

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扁平でリボン状に捻じれているので紡績しやすい繊維です。

● 綿繊維の走査型電子顕微鏡写真(断面)

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ルーメンと呼ばれる穴が空いているのが特徴です。
これが吸水性と保温性の良さの秘密です。
液体アンモニアで処理すると、ルーメンが膨らみソフト感と強度が向上します。

綿は繊維が長いほど柔らかくて細い紡績糸を作ることができます。繊維長が35mm以上のものは超長綿と呼ばれオーダーシャツなどを中心にした高級品に使われています。
その特徴は
・柔らかくてしなやかな風合い
・絹のような光沢感
・優れた発色性
・毛羽立ちがしにくく、耐久性が良い
かつては、海島綿(シーアイランドコットン)やエジプト綿(ギザ45など)が有名でしたが、現在はスーピマ綿や新疆(しんきょう)綿などが多用されています。

超長綿素材のシャツを一度着たら“やみつき”になること請け合いです。是非お試しください。

●次回は動物(タンパク質)繊維のはなしです。

写真提供:信州大学繊維学部Fii施設